日米関税交渉という「国難」を人質にする石破・野田両氏
ところで、石破首相が日米関税交渉の協力を求めるため与野党党首会談を開きたいと呼びかけている。朝日新聞の記事はこう解説する。
〈「国難」における与野党協力を確認し、内閣不信任決議案の提出を踏みとどまらせたい考えだ。〉〈内閣不信任案が提出された場合、少数である与党側は自力で否決する手段がない〉
日米関税交渉への協力要請というより、不信任決議案の阻止が主眼。つまり、決議案を出さない大義名分を日米関税交渉という「国難」に求めるよう、わざわざ公式の場を設けて、そそのかすための会合なのではないか。
立憲の野田代表はさっそく「国難だから協力してほしいというわけだから、党首会談をやるべきだ」と応じている。「国難」のおりに内閣不信任案を出すのはどうか……とかねてから予防線を張っていただけに、石破首相の“助け舟”に乗りたい気持ちは山々なのだ。
結局、ぎりぎりまで衆参ダブル選挙ありやなしやの空騒ぎだけが続き、通常国会は異変なく閉幕することになるのだろう。
“進次郎劇場”に頼る大手メディアのネタ不足は埋まっても、それ以上の意味はない。情報に踊らされ、さっぱり真相がつかめないまま、いたずらに時は過ぎてゆく。
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